白鳥の歌 日本語詞 松本隆
地震によって我が家の中で
落下回避したものの元の場所からズレたものも少なからずある。
もともと捨てるべきものもある。なんとかしなくては。
数日、浮腫んでいたカラダも少しもどるきざし。
いろいろアレで水曜のbillboardLiveをキャンセルし、その罪悪感もありおんがくから離れたおとといまで。きもちの浮き沈みの激しさよ。
「この苦しみを鎮めて」と今朝、選択したのはゴールドなジャケットの「白鳥の歌」
片付けものをしながらシューベルト。
いまもなお数ミリだけ波立つわたしの情を天からてのひらをあててくれるようなピアノの音色。
落ち着く巨瀬励起さんの音色。
純で粋な音色。頭蓋の骨のちょうどいい場所へ響くミキシング。
ゆえにまっすぐ直撃する日本語に胸を庇いたくなる回数も半端ないけれど伝わるスピード、テンポについていける感情。松本語ならではの景色の切り取り。
耳で音を聴いて、もういちど確認したいと
印刷された歌詞をみて、美しい日本語の並び。
妄想の廊下、妄想の額縁、妄想の黴が鼻を刺激されるような。
置いてきぼりにならないシューベルト。
リリース前にテレビでみた「ドッペンゲルガー」の迫力に畏れ懼れの涙がでてしまったのだけどそれは楽しいトーク番組の中の突然の1曲ゆえ、驚くのも無理はなく。アルバム全体で通してきくと、それはそれあってのそれなのだ。
と怖くもない。
歌詞カードには墨の「泣」の文字。いろんな感情の「泣」
替わりに泣いてくれるのだ。ああ「氵」「水」に「立」なのか。まさしく白鳥。
紙に沁みたなみだ、そうしつ。
この鳩を胸に抱き
大切にしたい(鳩 より)
神経痛の脚をおさえつつ、わたしの「鳩」をまた探さねば。
鳩。もういらないと思ってるけど。
こうして打っていて気づいたのが
巨瀬さんのお名前が「励まし、起こす」方だ、と。
わたし、励まされ起こされています。