ぬかるみがち

見聞私感

電車の中でミネストローネを食べているひとに遭う。

ハンカチを巻いた缶飲料をグビっ。夕方の駅ホームや電車内でたまにみかける呑み人。ハンカチ巻いてカムフラしている時点で「うしろめたい」塊のアルコール飲料であろうとよんでいる。きもちはわかるが、あなたのリビングじゃないよ。もちろんわたしの部屋でもないが。

車内飲食禁止はシンガポールの地下鉄が有名だが、台湾高雄メトロもだった。暑い国でもルールが守られている(んだろう)のだからいっそ、地域鉄道はそうしちゃえばいいのにな、と思ったりする。ちなみにエアポートリムジンは、「においが強いものの飲食、車内持ち込みはご遠慮を」の内容がモニターに掲示されている。

 

さきほど公共交通機関内で遭遇したのは人生初の体験。ぷん、とイタリアンなニオイ。そんな食べ物を購入し帰宅するのだなあと思っていたら、「モノレール車内座席でミネストローネを食べる女性」。しかもスプーンかフォークもちゃんと片手に。

なぜここで?!心底おどろいた。

鼻水をすすりながらスープを食べているようだ。ズルズル→ズルー→ズルズルの繰り返し10分ちょい。うぬううう。

ミネストローネのにおい。

ミネストローネのにおい。

時間がないのかな、駅にある休憩スペースで食べて次発にのれない理由があるのね、これからバイト?その腹ごしらえかもね。たまたまそこに居合わせた我々は各々、突然ミネストローネのにおいを撒き散らす彼女にいろんな(博愛的に都合よい理由)を考えてあげる妙な連帯感すらがあったような妄想。わたしだけか。

みんなきっと想いは似てるよね?と信じる。本音は「うぬううう」だが。そしてわたしの擁護妄想は「きっと花組の新人公演の開演に間に合うようにいま公衆の場で食べているんだわ。しかたないわ。」だ。がんばって捻ってみた。そのうちマスクをしはじめるひとも。

食べているひとは黙々と食べる。

わたしの妄想はあっけなく崩れ去った瞬間が後に訪れる。食べ終わった彼女がモノレールを降りるとき、握っていたのは野菜が入ったスーパーのビニール袋だ。それを持って新人公演には行かないはずだ。きっと。たぶん。単に買い物の帰りなの?

 

以前からなんだかなあ、と思うのは電車内がっつり化粧。

わたしのスペースでもないけど、あなただけの部屋じゃない。交通機関利用中は自分ひとりの時間じゃない。他人の目だけじゃなく、他人の鼻も結構きびしいよ。