ぬかるみがち

見聞私感

松本隆 藤舎貴生 静

京都夜桜生中継2019の「静」

 

記憶では楽曲お披露目は尾上紫さんのリサイタルだったはず。わたしは初見。歌詞世界が左へスクロール展開、絵巻物は左へすすむ。その構成に唸る。炎・心情の炎・いのちの炎、中継ではそこにない舞姿が邦楽楽器のうねりで幻影浮かび。桜の花を雪に錯覚させる音楽の魔。贅沢な背景での生。笛の音は気配を積み、ギアをキリっといれる。

生でいつか聞きたい。「静」。

いつも藤舎さんの笛をきくと、笛は多種類の筆なのね、と思う。水を含んだ平筆でふわふわと漂いながら、時に細筆、時に尖った彫刻刀の如く「斬り込む」その瞬間もたまらない。過去「幸魂奇魂」のときかな、横笛の早持ち替えもみた。なかなかのスリル。またいつか再演を。

坂崎幸之助ももいろフォーク村 松本隆特番

松本縛りでお台場リクエストアワー 後半

鈴木茂さん登場。黒のジャケットにと白の柄シャツ。青の色合いが松本隆さんとまるで示し合わせたかのようなシンクロカラー。

ももクロさんが花束。坂崎さん「20日で茂さんが67歳」ハッピーバースデーのうた。「こいつらがももクロです。雑な紹介」と坂崎さん。「レジェンド。おふたかた(松本さんと鈴木さん)同じバンドにいたんですよ。」

ももクロさん「いまおふたりがこうして共演することはめずらしいことですか?」

松本さん茂さん「時々あったりはある」「そんなにしょっちゅうではないですけど。あります。たまに」
ももクロさん「こうしてテレビでふたりは?」

松本さん「レアです」 

ももクロさん「レアだー!うれしい、こんな瞬間に立ち会えて」
坂崎さん「これで細野さんが加われば・・・大瀧さん天国にいますから」
ももクロさん「すごいメンバーですよね」坂崎さん「はっぴいえんどが解散したのは73年の9月、もう45年だ。”解散して”だよ。ビートルズが解散した3年後に、はっぴいえんどが解散してるんだよ」ももクロさん「わー」
松本さん「まじで?」

坂崎さん「そうですよ」「70年代初頭の日本のロックを作ってきてその後はみんなミュージシャンになられて。スタジオミュージシャンになられたり、松本さんは作詞家になられて。そういう意味で日本の音楽を作ってこられた方々でいらっしゃいます。茂さん67歳」
松本さん「若いよね?」

坂崎さん「松本さんはちょっと上でしたっけ?」松本さん「2つ上」

坂崎さん「茂さんはっぴいえんど入ったときって10代でした?」

茂さん「そう19だったかな。あの頃の一才二才って大きいんですよ。先輩後輩」

松本さん「だから細野さんと話してるとね”茂は子供だから”って言うの。子どもって、もう還暦過ぎてるんだから。彼の頭の中では高校生からあんまり成長してないの」坂崎さん「ももクロもそうだけど、はっぴいえんども学年がひとつづつ違う。はっぴいえんどは茂さんが2つ(違うか)か。」

坂崎さん「早速かけつけ一曲いきますか。これははっぴいえんどとしてもデビュー曲で松本さんが詞を書いた最初の曲ですか?」

松本さん「ほぼ最初」

坂崎さん「春よ来い、とどっちが(先)?」

松本さん「12月が最初か。12月の雨の日にほんとにこれを書いた。当時の1969年の12月の雨の降った日っていうのが1日くらいしかないの。たぶん11月の最後の日に大瀧さん家に遊びに行ってその時に詞を書き上げて、大瀧さんは炬燵で寝ちゃっていて、できた詞だけポンと炬燵の上に置いて帰ったんですけど。それで12月の雨の日なんです。」

坂崎さん「2000何十曲書いた松本さんのほぼ最初の(作品)?」

松本さん「はっぴいえんどの前に2つか3つは書いてるんですが、残ってないんです」


「12月の雨の日」鈴木茂さんのギターでお願いします。

 

 

つづける予定。

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書き起こして気づくのが坂崎さんの敬語。

はっぴいえんどへの敬いが伝わる。

 

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12月の雨の日

12月の雨の日

 

 

 

 

 

ももいろフォーク村 振袖から牡丹が風に舞う

CSフジNEXT「ももいろフォーク村」松本隆縛りの3時間

実は四部作だった斉藤由貴×松本隆漢字二文字シリーズ。

「卒業」【青春】「初戀」「情熱」そうだったのか。すばらしい漢字の並びだ。「青春」歌った後、斉藤さんの笑顔が可愛い。わたしは初めて聴いた「青春」良い哀愁。筒美京平先生のメロディご馳走。ももクロさんと一緒に歌っている斉藤さん。ももクロさんパートの時のボーカル休みの間の佇まいの輪郭がなんとも美しいのだ。女優はこうして「間をとる」のだなと凝視。斉藤さんと松本さんのトーク野球狂の詩のドラマがかわいかったから」「なんてないこと風にサラッとおっしゃいますね。」歴史が。

ももクロさんとは 戀が読めなくて→ひらがなおんな→ひらがなではつこい→いを「ひ」にすれば?「はつこひ」というさりげない会話の中にも創作の神。


はずせない「情熱」。2017年年秋、恵比寿の風街ガーデンのステージを思い出す。松本さんも「伝説の情熱」とおっしゃっていたが、その数分間わたしを含めまわりが皆、頰を手で覆い泣いていた。情で見つめていた。あの会場が雪のホームになって、何千人が目撃者だった「伝説」。今回、その記憶が突かれ「あの場」に戻って熱くなった。わたしは歌手の斉藤さんをみつめます。これからも。

クミコさんの「情熱」は20年近く前に聞いた時は「しかたないのよ、俯瞰」を感じたが今は足首から絡まれる「念」。斉藤さんの情熱は観音様の域。静寂そうにみえて微かに震える青い熱。そのおふたり揃っての「情熱」こんな日がくるなんて。しかもテレビで。ありがとう太田胃散😊(スポンサー)


全編通して、ももクロさんたちの「一生懸命歌う」姿勢が眩しかった。カバーにありがちな「オリジナルとは違うわたしをみて!」な「自分の歌い方押し出し」が有り気だけど、みなさん真摯に歌詞を歌語っていらして。「魂を抱いてくれ」ほか素直な歌唱で歌詞がストレートにこっちに来ていた。びっくりした。「あなたと熱帯」も良かった。

「あなたと熱帯」のあとの「鳥の歌」振り幅‼️これぞ松本た歌詞世界。

 


中島愛さんがカバーした松田聖子さんの「Kimono beat」歌い込まれているのがとてもとてもわかった。心から歌と聖子さんが好きでいつも歌っていらっしゃるんだろう。高低自由な音符をつかまえてた。字幕歌詞がない音楽番組で、歌詞を聴きつつその歌の世界をいつもは使わないアタマのゼンマイが動き出す。「空想力」ああ、忘れていた。いつも目で歌詞を追って空想は二の次だったここ数年の音楽番組鑑賞。耳からの想像の愉しみ。Kimono beatそうだ、そうだ。こういう世界だった。


「振り袖から牡丹が風に舞う」

なんて美しい日本の歌なの!!

走る振り袖。動くわたし。自らを開放解放。

中島さんの真っ白のワンピース、そこにない牡丹模様がふわりとね。

歌ってこういうところがだいすき。

妄想のプロジェクションマッピング。できるのは松本詞だから。

 


後半についてはまた後日。鈴木茂さんのギターを聴いて、今年も年の瀬 感。

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星間飛行

星間飛行

 
 

 

 

Kimono Beat

Kimono Beat

 

 

 

おもしろかった「キム秘書がなぜそうか?」

jp.mnet.com

 

10月、Mnetという韓国チャンネルがスカパで観られるようになった。数日は無料なので、いくつか観ていた。その中で音楽番組とドラマ「ゴハン行こうよ3」というドラマに出くわした。10数年前は韓国ドラマを時折観ていた。とても久しぶりに「つづきがみたい」と思った。グルメドラマで、工夫した食べ方飲み方、そして音楽がとてもいい。食べるシーン、過去の記憶、なぞる現在。いまの韓流ドラマってこんなに画面もカメラワークも美しいんだ、と新鮮だった。そのドラマが最終回を迎え、CMでやたら流れる「キム秘書がなぜそうか?(原題)」きっと、最後はハッピーエンドよね。でも途中で財閥の家族にいじめられる筋書きなのよね?と勝手に思っていた。1話は「ふーん」だったし、副会長がただのイヤなやつという印象しかなかった。チャンネルを合わせると「キム秘書」だったし、そのキム・ミソのファッションもメイクも日本寄りで「日本の女優ならケイコキタガワのイメージかしら~」などと考えつつ見入ってしまった2話3話。そのうち過去の暗い事件の記憶と運命・横やり兄貴などが投入され、「やっぱり韓流なのね~」とちょっと心は離れかけた。その隙間に楽しい脇役の方々のエピソードが見事で、その暗い事件も視聴の重荷にはならなかった。ほおお、いまのドラマってこうなのか。

秘書室の愛すべきひとびと。副会長の恋愛指南役の”軽率”社長。その社長の秘書。なんといってもキム秘書の姉たちがわたしにはぐっときた。財閥の息子と付きあう、のなら玉の輿応援が親族だったはずだ。とにかくお金持ちがすき!(←わたしの中の韓ドラ)でも、キムミソのふたりの姉は、妹のしあわせを第一に考え「あんなおとこは賛成できない」と断固反対する。特に長姉がよかった。あの潮干狩りの回、全力でミソの姉に認めてもらえるように努力をしていた副社長に心を揺り動かされた。あれ。わたしハマってる自覚。音楽も魅力的でサントラも入手。

 

秘書としての仕事で認められていた故に財閥家族からの反対もないハッピーエンドなんて!とてもいい。とてもいい。あと、キムミソのタイトスカート・とろみブラウス・繊細なデザインのピアス。どれもスケッチしたいくらいだ。

金曜と土曜の朝、土曜と日曜の朝の再放送が楽しみになり、見終わるとほんとうに幸せとどきどきな気持ちにさせてくれたドラマ。

私論。恋のキューピッドはパクユシク社長の部下 ソル秘書でしょう。うっかり屋さんのキューピッド。恋のきっかけだったり、ライバルを蹴散らしたり。

脇で一番目をひくのはやはり秘書室の顔芸ポン課長。すばらしいコメディアンヌ。撮影前にどんな顔ストレッチをしているのか正直知りたい。

 

ああ、美しいウェディング姿の最終回が終わってしまった。副会長とキム秘書は何度キスをしたのだろうか。落ち着いたら数えてみたい。でも落ち着きたくないなー。

ムっとしてもグっとこらえて笑顔で仕事をササっとかたづけるキム秘書。笑顔は最強の防御。そして照れるキムミソがとってもチャーミングだった。

楽しかった秋から初冬。いいドラマだった。

 

韓流ラブストーリー完全ガイド 甘い絆号 (COSMIC MOOK)

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「キム秘書がなぜそうか」オリジナル・サウンドトラック

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